いちから始める Docker - 複数のコンテナを使う - (2020年)

2020/03/28

今回は、複数のコンテナを docker-compose を利用して起動してみます。

Docker/Kubernetes 実践コンテナ開発入門

を参考に、Jenkins のMaster、Slave で複数のコンテナを構築します。

Jenkins(Master)コンテナ作成

まず、Jenkins(Master)を以下の設定で作成します。

  • Dockerイメージ:Jenkinsci/jenkins:latest
  • ポートフォワーディング:8080 <==> 8080
  • 共有ボリューム:./jenkins_home <==> /var/jenkins_home

ポートフォワーディング、共有ボリュームは、左がホスト(Mac)、右がDockerの設定となります。

docker-compose.yml の設定


version: "3"
services:
  master:
    container_name: master
    image: jenkinsci/jenkins:2.142-slim
    ports:
      - 8080:8080
    volumes:
      - ./jenkins_home:/var/jenkins_home

このように、volumes を設定することで、Dockerのデータをホスト側と共有させて、永続化することができます。

docker-compose の起動

docker-compose.yml を作成したら、 --build でイメージ構築と同時に起動をします。


$ docker-compose up --build

Jenkinsのパスワードを控える

途中で、Jenkins の管理者パスワードが表示されるため、控えておきましょう。
忘れた場合は、Docker内の「/var/jenkins_home/secrets/initialAdminPassword」に記載されています。


...
master    | Jenkins initial setup is required. An admin user has been created and a password generated.
master    | Please use the following password to proceed to installation:
master    | 
master    | パスワード
master    | 
master    | This may also be found at: /var/jenkins_home/secrets/initialAdminPassword
...

この時点で、ホスト側のルートにも「jenkins_home」ディレクトリが作成されます。

Docker側でSSH認証キーを作成

Jenkins(Master)コンテナ内で、SSH認証キーを作成します。

dockerコンテナに対して、シェルコマンドを実行します。


$ docker container exec -it コンテナ名 シェルコマンド

今回は、ssh-keygen を利用するので、


$ docker container exec -it master ssh-keygen -t rsa -C ""
Generating public/private rsa key pair.
Enter file in which to save the key (/var/jenkins_home/.ssh/id_rsa):        
Created directory '/var/jenkins_home/.ssh'.
Enter passphrase (empty for no passphrase): 
Enter same passphrase again: 
...
SHA256:SSHキー

すると、jenkins_home/.ssh/ に id_rsa、id_rsa.pub が作成されます。

docker-compose の停止

Jenkins(Slave)を設定するため、一旦、コンテナを停止します。


$ docker-compose down

Jenkins(Slave)コンテナ作成

Jenkins(Slave)を設定を行います。

docker-compose.yml の設定


version: "3"
services:
  master:
    container_name: master
    image: jenkinsci/jenkins:2.142-slim
    ports:
      - 8080:8080
    volumes:
      - ./jenkins_home:/var/jenkins_home
    links:
      - slave01

   slave01:
     container_name: slave01
     image: jenkinsci/ssh-slave
     enviloment:
       - JENKINS_SLAVE_SSH_PUBKEY=id_rsa.pub のキー

enviloment は環境変数の設定で、「JENKINS_SLAVE_SSH_PUBKEY」に「jenkins_home/.ssh/id_rsa.pub」のキーを設定します。

また、Jenkins(Master)で、links を設定して master から slave01 を名前解決できるようにします。

docker-compose の起動

コンテナをバックグランドで起動します。


$ docker-compose up -d

docker-compose の起動

設定したポートで、http://localhost:8080/ にアクセスすると、Jenkins の画面が表示されます。

パスワードは、Jenkins(Master)の起動で表示されたものを利用します。

手っ取り早く、Install suggested plugins を選択してインストールします。

Jenkins のユーザを作成してログインします。

Jenkins のノード(slave01)の設定

本の通りにノードの管理で、slave01 の認証情報(id_rsa、パスフレーズ)などを設定していきますが、slave01 の起動がエラーになってしまいました。
(Jenkins の Jenkinsの管理 > ノードの管理 で slave01 の設定の箇所)


...
java.io.IOException: Java not found on hudson.slaves.SlaveComputer
...

調べたところ、slave01 で java のパスを通す必要があるようです。

Slave に Java のパスを通す

ホスト(Mac)側から、slave01 へログイン


$ docker exec -it slave01 bash

slave01 の Java のパスを調べる


# which java
/usr/local/openjdk-8/bin/java

このパスを、slave01 の「高度な設定 > Javaのパス」に設定します。

これで、ノード再起動すると同期が完了します。

 

ちなみに、Docker For Mac で利用してみましたが、結構CPU負荷が高いです。


$ docker-compose stats