もうこんな試合は二度と観られないだろう。
自分の欲張りな想像以上のドラマだった。
4日連続観戦の最終日は、何かの宿命か中日VS巨人戦だ。
今年観戦するのは6戦目だ。
■ドームへ急げ
仕事を終え19:00に会社を出る。
既にT・ウッズが3ランで先制しているようだ。
T・ウッズは足を怪我しているというのに凄い男だ。
この分だと、普通に勝ってしまうのかな?とちょっと残念な心でドームに向かう。
東京ドームにしたのは到着のは19:30
5回表終了、得点は3対1と2点差になっていた。
■マウンドには・・・
この大一番のマウンドを託されたのが、川上憲伸!!
これまた運命なのか。
似ても似つかぬ同級生。
やっぱり一番思い入れのある選手でこんな日に登板なんてこれ以上嬉しいことはない。
今日も「OCHIAI」のレプリカを着ているが、ちゃんと「KAWAKAMI」も持参して気持ちを込めて応援。
その期待に応えて憲伸は好投を続ける。
そして因縁の対決、憲伸VS由伸!!
ここは由伸がスタンドに叩き込んだ!
打たれたけど気持ちいい勝負だったよ。
これで緊張の糸が切れたのか小久保にも連続ホームランを浴び同点に追いつかれてしまった。
■孝介決めろ!
落ち込んだが今までの劇的なドラマに場慣れした自分はかなり冷静だったかも知れない。
優勝する以外考えられないから。
そして井端の2ベースヒット!!足を痛めるも根性で復帰!!
こうなったら打つしかない孝介!!
やっぱり全てはお膳立てだと確信。
しかしあえなくピッチャーゴロ・・・。
そういえば福留は俺が観戦している時は打点がない。
打点をあげれば、3割、30本、100打点達成なのに。
■KAWAKAMI
チャンスの後にピンチあり。
憲伸が乱れ落合師匠がマウンドに。
俺は両手に「KAWAKAMI」を握りしめ応援。
気持ちが通じ、8回裏を見事に気合いで抑えた!!
■最終戦の死闘
そして9回を迎える。
代打立浪和義登場だ。
しかし、巨人も豊田を投入するなど真剣モードの投手リレー。
ついには9回表を封じられた。
9回裏
これからは常にサヨナラ負けとなる嫌な展開。
ここで平井を出さず、久本、岡本の投手リレー。
ヒヤヒヤしながらも見事にジャイアンツ打線を封じ込め延長戦に突入。
落合師匠は自信を持って勝負は先にあると読んでいるのか?
10回裏
平井を投入。
ランナーが出るたびに手に汗握る緊張。
言葉では表せない精神状態の中、見事に抑えきる。
11回表
ここで決めないと胴上げの可能性が・・・。
そしてやってくれた!福留、ウッズの連続安打でノーアウト1,2塁。
やっぱり、勝利の女神は微笑んでくれそうだ。
森野がまずバントを。
俺、今年はじめて野次り倒した。
「アホっ!!」と。
バント失敗で流れが止まり後続続かず。
正直ここで決められなかった事で「この試合は終った」と思った。
しかし次の瞬間、やっぱりドラマが起こるなと予感させる。
落合師匠・・・何と空気がわかる人だ。
11回裏
ジャイアンツの攻撃だが、俺は12回表の攻撃で頭が一杯だった。
岩瀬が12回裏も投げる。
そして優勝するには、12回の先頭打者、谷繁がヒット打つしか可能性がないと。
■最終章
12回表・・・ついにドラゴンズの最終回。
奇跡の胴上げ最終イニングだ。
そして奇跡が始まった。
打率220の谷繁がヒットでまさに首の皮一枚を繋いだ。
岩瀬はそのままバッターボックスにたち三振だが想定内。
問題はここからだ。
荒木、井端のどちらかがヒットすれば・・・。
イメージを遥かに超えた!
荒木、井端の連続ヒットで満塁!!!
何か夢の中にいるようだった。
そして、やはり決めるのはこの男だった。
孝介コールが鳴り止まない!
もう優勝を決める一打しか頭にない。
総立ちのレフトスタンド、3塁側の大声援の渦の中で、
緊張して声が出ず、ただただメガホンとカメラを握りしめていた。
センターに奇麗に流れる白球
いままで溜まっていた感情が一気に溢れ出た瞬間だった。
勝った・・・。
地鳴りのような歓声の中、俺は「タイロン、決めろっ」と超興奮状態で叫ぶ。
決めた・・・。
グランドスラム・・・。
本当に色々な思いが込み上げてきた。
落合監督の就任した2年前、幼稚園以来やっとドラゴンズに目覚めた。
そして思い起こせば名古屋球場以来の野球観戦で始まった今年。
6試合中、
・4試合の逆転勝利
・うち2試合の延長戦勝利
・唯一の負けは8回まさかの逆転負け
毎試合これ以上ドラマはないだろう?というくらい興奮してきた。
しかし何と言っても、10/8の横浜スタジアムのドラマは越えることはないと思っていた。
名古屋から上京し13年住んだ東京で偶然にもここにいる。
今後の自分の生涯で多分2度と味わえない出来事だろう。
■落合博満
4回宙に舞う!!
これ程、熱くなれるとは・・・。
小学校の頃アンチドラの裏で密かにヒーローだった選手が、今目の前で監督として勝利してお立ち台にたっている。
しかも相手はその宿命のジャイアンツの前で。
あの正直な顔を思い出すだけでも涙腺が緩む。
マジでカッコいいぞ!
■プロ野球最高!
ドラゴンズパレード後はジャイアンツのドーム最終戦の挨拶を見届ける。
やっぱジャイアンツが強くないと張り合いがないよなあ。
暫くぼーっとグラウンドを見続けていた。
何でこんなに野球の人気が落ちてしまったのかなあ?と。
でもさあドラゴンズだけでなくても球場に足を運べば今のプロ野球だって十分興奮させてくれるよ。
帰宅後は一人祝勝会するも、さすがに疲労困憊。
52年ぶりの日本制覇を願って・・・いや、もしかしたら球場に・・・。